蜜柑援農

援農への参加を
考えている方

こんにちは!みかん援農2年目のゆまです。
普段は農業バイトで各地を巡る生活をしています。
「みかん援農ではどんなことをするの?初めてでもできる?」
「冬期間の住み込みバイトを探してるけど、みかん援農は稼げる?」
みかん援農が気になっている方、行くかどうか迷っている方に向けて、
私の仕事内容やスケジュール、体験談などお伝えしていきます。

目次
1. 海南市下津町ってどんなところ?アクセスや最安値ルート
2. 1日のスケジュールや仕事内容、持ち物について
3. シェアハウスや休日の過ごし方
4. 援農者の体験談

どんなところ?
アクセスや最短ルートは?
援農への参加を考えている方

海南市下津町
について

和歌山県の北部に位置する海南市下津町は、海と山に囲まれた人口1万人弱の地域。駅一つ分南下したエリアには「有田みかん」で有名な有田市がありますが、下津町も全国トップクラスの生産量を誇るみかんの産地です。

気 候
四季を通して比較的温暖で冬はほとんど雪が積もりません。日中は暖かいので動いていると汗をかくくらいの気温になります。一方、朝晩の冷え込みが激しく、海風が冷たいです。

特産品
海南市は山と海に囲まれているのでどちらも味わえる贅沢な土地です。
和歌山県の特産物 | JAグループ和歌山
[山の幸]みかん、びわ、柿、桃、梅、キウイフルーツ、山椒など
[海の幸]しらす、鱧、わかめなど

海南市の北西部では日本三大漆器の一つである「紀州漆器」も生産しています。
紀州漆器伝統産業会館うるわし館紀州漆器協同組合

観光地
4つの国宝建造物と熊野古道が有名で毎年多くの観光客が訪れます。
わかやま観光 長保寺 | 和歌山県公式観光サイト
熊野古道 – 熊野本宮観光協会

海南市下津町
までのアクセス

海南市は大阪からのアクセスも良いので利便性の高い地域です。海南駅では全ての特急列車が停まるので、大阪から特急を使えば約1時間半で着いてしまいます。また、高速ICが3つもあり、大阪からは約1時間ほどなので車で行きたいという人にもおすすめです。



さて、ここからは東京から下津までのルートを紹介していきます。
今回はナビタイムを参考に算出してみましたが、交通機関の会社や時期によって料金が変動するのであくまでも目安として見てみてくださいね。「下津駅」か「海南駅」まで行くとみかん援農の運営の方が迎えに来てくれますので事前に連絡を取っておきましょう。

【東京から下津までのアクセス】
※2021年8月時点の情報です。
※待ち時間や途中の移動時間は含めていません。
※海南駅、下津駅は交通系ICカードが使えます。

これまで私は農業バイトをいくつか経験しましたが、他の農村地帯は電車やバスの本数が少なく、移動に時間がかかります。でも、海南市は少し足を伸ばせば都心部へ行くことができるので利便性が高いエリアだと感じました。 もし他に良いルートがあればコメントなどで教えてくださいね。

1日のスケジュールや
仕事内容
必要な持ち物について
援農への参加を考えている方

仕事の詳細

派遣先の農家さんやシェアハウスによって状況は異なりますが、給料や家賃などは同じです。

【私が2020年に勤務した頃の概要です】

より詳しい情報を知りたい方は、みかん援農に直接お問い合わせください。

1日のスケジュール

派遣先の農家さんや時期によって作業内容は変わりますが、私が通っていた農家さんはこのようなスケジュールでした。

【とある1日のスケジュール】

17時以降は外が暗くなって収穫ができなくなるので、だいたい仕事は定時で終わります。ただし、農家さんによっては早めに出勤したり、残業することもあります。体調が良くなかったり、他に予定があったりして残業ができないときは、農家さんに相談してみてくださいね。

勤務期間

みかん援農では11月〜12月末のうち、基本的に1ヶ月間以上の長期で働いてくれる方を募集しています。農家さんからすれば、せっかく覚えてもらったのにすぐに帰られてしまうとまた他の人を呼んで一から指導することになります。もし自分の立場だったら、長期で働いてくれる人を優先させたいと思いますよね。

また、参加者側の私としても以下の理由で長期の滞在をおすすめしています。

1. 短期だとほぼ働けない可能性がある
2. いろんな援農者と交流ができる
3. 慣れるのに1〜2週間くらいかかる

詳しく説明していきますね。

1. 短期だとほぼ働けない可能性がある
自然相手の仕事なので、天候に左右されやすいです。もし1〜2週間の滞在中に悪天候が続けばほとんど休みになり、何もせず終わってしまう可能性があります。そのリスクを避けるためにも長期滞在がおすすめです、ということです。ちなみに、2020年は晴天が続き仕事が多かったのですが、前年の2019年は雨が多く仕事が少なかったです。

2. 慣れるのに1〜2週間くらいかかる
大体の人は環境に慣れるまで2週間くらいかかるようです。私はリピーターになった今でも環境に慣れるまで10日ほどかかります。多少は仕事の流れが分かっていても1年ぶりの作業なので最初の週は体が疲れやすいからです。(逆にヘトヘトになってぐっすり眠れますが)農家さんもベテランとはいえ、最初の1週間は慣れないそうですよ。だから1〜2週間くらいの短期間で働きたいという方は体が慣れてきた頃に帰ることになるので、むしろもっと働きたい!と思うかもしれません。

3. 長期だと援農者と仲良くなりやすい
人によりますが、長期滞在するほど援農者と仲良くなりやすいです。

『一緒にいる時間が長いので仲が深まりやすい』
『他の援農者が来る時期は違うので長期滞在のほうが交流の機会が多い』

みかん援農には元看護師や住み込みバイトで各地を巡るカップルなど、いろんな人が集まります。人との出会いを目的にしている人は長めの滞在をおすすめします。

※期間を延ばしたい時は…
一方で「早めに働きたい」「延長したい」という場合は受け入れてくれる可能性があります。通常の募集期間は11月〜12月末までですが、『10月から人手がほしい』『1月以降もまだ作業がある』といった農家さんもいるので、運営の人や農家さんに相談してみてくださいね。

仕事内容

みかん農家さんにとって11〜12月は1年間の収入が決まる大事な時期です。だから食べ頃のうちに少しでも早くみかんを摘み取らなければいけません。

1. みかんの収穫
仕事内容は主にみかんの収穫ですが、農家さんによって異なります。また、男性はみかんの入った20キロのコンテナを運ぶ作業を任されることがあります。力仕事は若干給料が高いので少しでも稼ぎたい方はおすすめです。



山の斜面に生えるみかんを一つ一つはさみで摘み取っていきます。農家さんが丁寧にやり方を教えてくれるので、初心者でもできますよ。私もみかん収穫は初めてでしたが、10日間くらいで慣れました。むしろ、みかんを全て採り終えたときの達成感は本当に最高なので「早くやり方を覚えて全部採りたい!」って思うはずです。

ちなみに地域によって道具や採り方が違うのですが、和歌山では「片手採り」をします。両手で採るより収穫スピードが断然上がるのでぜひ覚えてみて下さい。

【有田みかんを収穫】片手採りとは?│You Tube 有田市公式チャンネル

実際に収穫の様子を見るとびっくりすると思いますが、農家さんの収穫スピードがめちゃくちゃ速いです!しかもご高齢の方でもすいすい木に登るので、昔から農作業をしてきた世代の体幹の強さに驚くと思います。ただし、初心者の方は肩や腰を痛めやすいので、あくまでも無理をしすぎない自分のペースで行ってくださいね。

2. 選果や箱詰め
農家さんによって農協に出荷したり、直接スーパーに卸したりと様々あるため、作業内容は異なります。私がお世話になった農家さんでは選果や箱詰め作業もさせてもらいました。



機械でサイズ別に仕分けたみかんを一つ一つ人の手で腐れや傷、色合い、形などをチェックしていきます。しかし、一日中かけてたくさん収穫しても全部が売れるわけではありません。

一見、綺麗でおいしそうなみかんでも…
☑ ちょっとした傷でも見つけたら省く(運送中に悪くなるかもしれないから)
☑ 形や色合いを見て甘みが少ない、水分が多すぎるものは省く

など結構シビアに判断しています。
食卓に美味しいみかんが届くまで、これほどたくさんの手間と愛情をかけているのですね。大切に育てたみかんだからこそ、美味しい状態で食べてほしいという想いが伝わりました。みなさんも収穫するときはみかんを傷つけないように気をつけましょう!

ちなみに省かれたみかんはどこへ行くのかというと、工場に卸してみかんジュースにします。中身はほんっっとうに甘くて毎日食べても飽きないくらい美味しいのですが、半分以下の値段で出してしまいます。もし傷ありみかんを有効活用できるアイデアがあったらぜひコメントなどで教えてください。

休憩中の過ごし方

農家さんによって休憩の取り方は違いますが、私がお世話になったところでは午前と午後に15〜20分ほどの休憩タイムがありました。私は農家さんが用意したお菓子やお茶をいただきながら、まったりおしゃべりするこの時間が好きです。



地元の言葉を教えてもらったり、地域の話を聞いたりして盛り上がり、休憩時間があっという間に過ぎます。また「ボケ防止の話」や「美味しい野菜の育て方」など同じ世代では出てこないような話題がポンポン出てきて、聞いているだけでも面白いです。

そしてお昼は自分で持ってきたお弁当をいただきます。天気が良い時はぽかぽか暖かいので私はよく日向ぼっこをしながら食事をしていました。こんなふうに休憩中は自由に過ごせます。

雨の日はお休み
みかんに雨水がつくと保管中に腐りやすくなるので、基本的に雨の日はお休みになります。(ちなみに朝露がついて濡れている場合は腐らないので収穫ができます)

ただし、午後から晴れたり雨の日でも倉庫内で作業があったりするので、自分の判断で勝手に休まず、農家さんからの連絡を待ちましょう!もし「どうしてもこの日は予定があって休みたい」となれば事前に農家さんに伝えておくと休みが取れるので相談してみてくださいね。

農作業をするとき
の服装は?

農作業時の服装は人によりますが、私の服装はこんな感じでした。


基本的に汚れてもいい服や動きやすい格好です。洗濯物は冬場で乾きにくいので、少し多めに持っていくといいでしょう。



どれもホームセンターやドラッグストアで手に入るようなものばかりです。実際に働いてから買うのもいいでしょう。作業に使うハサミやテボ(かご)は農家さんで用意してくれます。

倉庫内で作業するときの服装
倉庫内で作業があるときもほとんど同じですが、畑の土や泥を建物に持ち込まないようにスニーカーに履き替えます。動きやすい靴であればなんでもいいですが、12月は急激に冷えるので、底冷えしないように厚めの靴や足用のカイロ、湯たんぽなど防寒グッズを用意しておくと安心です。また、保管しているみかんを温めないように、倉庫内では暖房がつけられないので、冷え症の人はしっかり防寒対策することをおすすめします。

もっと働きたい、
稼ぎたい人へ

農業バイト全般に言えることですが、自然相手のお仕事なので天気や収穫状況によっては予定通りに勤務できるとは限りません。

実際に働いてみたら…
『雨の日が続いて勤務日数が少ない』
『通っていた農家さんで収穫が早く終わった』

といったパターンもよくあります。もし「もっと働きたい」「もっと稼ぎたい」という方は、まだ作業が終わっていない他の農家さんを手伝ったり、期間を延長できたりすることもあるので運営にご相談ください。

シェアハウスや
休日について
援農への参加を考えている方

シェアハウスについて

みかん援農では空き家の一軒家やアパート、農家さんの離れなどを借りてシェアハウスにしています。家によって設備や間取り、周辺環境が違いますが、『派遣先の農家さんに近いシェアハウス』『乗り合いで出勤する場合は車の保有者と同じシェアハウス』に住むことになります。どの家でも基本的にキッチンやトイレ、シャワーは共同です。

たとえばこのようなシェアハウスがあります。


シェアハウスのイメージとしては、親戚のおばちゃんがしばらく旅行で家を空ける間だけ代わりに住む、というのが近いかもしれません。
もし何か要望があれば事前にみかん援農の運営に聞いてみてくださいね。

シェアハウスの家賃や生活費はどれくらい?
シェアハウスの家賃(水道光熱費込み)は以下の通りです。


※同じ部屋に泊まる人がいなければ相部屋希望でも個室料金になるので、友人や知り合いと一緒に参加すると少しお得です。

1ヶ月の生活費は、私の場合だいたい9〜10万円くらいでした。


家賃の安さや自炊で固定費を下げられたのもありますが、他の援農者とシェアハウスで人狼やトランプをしたり、夜更けまでなんでもない話をしたり、串カツパーティーをしたりと「お金のかからない遊び」をしたのも大きいと思います。

シェアハウスの設備は何がある?
各シェアハウスによって設備が違いますが、基本的に用意されています。


生活時間がだいたい同じなので、帰宅後はお風呂やキッチン、洗濯などの水回りがよく混雑します。みかん援農で特にルールを決めているわけではないので、何かあれば同じ家の援農者と話し合って決めていました。ちなみに私がいたシェアハウスでは帰宅が早い人から入浴していましたが、人数の多いシェアハウスでは入浴順を自己申告の予約制で決めていたようです。

共同で使用するもの
共同で使用する消耗品(トイレットペーパーやティッシュ、洗剤など)は、人によってこだわりがあったり個人で用意してたりするので、使う人同士で割り勘したり物々交換したりと工夫していました。

個人で用意するものは?
現地に到着してからでも買い物はできますが、場所によってはシェアハウスの近くにスーパーやコンビニがない場合もあります。事前にある程度用意しておくと安心でしょう。

参考までに私が持って行ったものを紹介します。


シェアハウスに一つしかないものが多いので、自分で炊飯器やケトルなどを持ってくる人もいました。さすがに全部持っていけない!という人は事前に荷物を送ることもできますよ。私はお米や着替えなど重い荷物は郵送していました。

シェアハウスの
良い面・悪い面

シェアハウスの良いところは「共有できること」です。同じ空間に住んだり、物の貸し借りをしたりという”物理的な共有”の良さはもちろんあります。そして何よりも、寝食を共にするという”体験や気持ちの共有"が「シェアハウスに住むことの醍醐味」なのではないでしょうか。



各農家さんのみかんを食べ比べたり、農家さんからもらってきた大量の食材で何を作るか悩んだり、夜中に人生の相談をしたり、何でもないことを一緒に笑えたり……1ヶ月も一緒にいると、不思議なことに学校の友人とはまた違う、特別な仲間のような感覚を感じられると思います。年齢や経歴の垣根を超えた友人ができたと私は感じました。これがもし会社員のように自宅から通勤するような仕事だったら、実現しなかった関係性かもしれません。

一方で、シェアハウスのデメリットも挙げると、共同生活をしていれば「すぐに洗濯したいけど順番を待たないといけない」というように自分のペースでできないことがあります。そんなに気にしない人はいいのですが、これがストレスになることもあるので、お互い協力し合う必要があります。

また、他にも『気になることを言えない状況』『相性が合わない人がいる』といったことが起きれば、ストレスになると思います。そんなときは一人で抱え込まず、他の援農者やみかん援農の運営に相談してみましょう。

シェアハウスが初めての人でも大丈夫?
みかん援農がきっかけで「初めてシェアハウスに住んだ」という人は結構いますが、初心者でも楽しく過ごせたようです。基本的なこと(法に触れるようなことをしない、シェアハウスのルールに則るなど)ができれば特に問題ないでしょう。



他にも「先に洗濯したい」や「もう少し音量低くしてくれないかな」といった自分の考えや要望を伝えることも共同生活をする上でとても大切です。また、シェアハウスでうまくやっていくにはみんなと仲良くしなきゃ!と思いがちですが、一人になりたいときはみんなと一緒にご飯を食べる必要はありません。無理をせず自分のペースで過ごすことがうまくやっていくコツです。

シェアハウスに向いてなさそうな人をあえて挙げるなら「極力、仕事以外は人に会いたくない人」と「潔癖症で細かいことを気にしすぎる人」は難しいかもしれません。ただ、実際に入居してみて「思ったよりシェアハウスいいかも」と気持ちが変化することもあるので、そこまで気にせず一度経験してみても良いと思います。

もし困ったことがあればみかん援農の運営者に相談できるので一人で抱え込まないでくださいね。

イベントの開催

2019年は農家さんのガレージで焼肉を食べながら援農者と交流する会が開かれたり、収穫の終盤になるとみかん援農主催のお疲れ様会が開かれることもありました。(※新型コロナウイルスの影響により今後の開催については未定)

休日の過ごし方

雨の日や作業がない日などはお休みとなります。事前に休みたい日があれば農家さんに相談するといいでしょう。 休みの日の過ごし方は人それぞれで、遊びに出かける人もいれば、休日も働きたくて他の農家さんを手伝う人もいます。

私の場合、休日は副業の在宅ワークをしていました。しかし、農作業で疲れてすぐ寝てしまったり、不定休で予定が立てづらかったりしてなかなか両立が大変でした。副業がある人は、収穫作業に支障が出ないように事前に仕事量を整えておく必要があります。農家さんの手伝いがメインなので、他の仕事で出勤できないという事態は極力避けましょう。

Wi-fi&コンセント
があるスポット

ほとんどのシェアハウスにはWi-fiがないので、海南市や有田にあるWi-fiやコンセントがあるスポットを紹介します。※随時更新!

①KAMOGO
空き家になっていたJAをリノベーションしたおしゃれなカフェ。


地元の農産品を使ったメニューが豊富で、冬に登場する生搾りみかんジュースがおすすめ。豆腐屋さんのおからドーナツは注文してから揚げるので熱々をいただける。どのメニューも美味しいので援農期間中はぜひ一度行ってみてほしい。

②海南nobinos(ノビノス)
2020年6月1日にオープンした新しい図書館。


海南駅から徒歩7分と近く、駐車場も広い。 館内にはスターバックスが併設されており、ドリンクを飲みながら読書も可能。土日は学生で混み合うが、夜は比較的空いている。

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