蜜柑援農

援農とは?

就農ではない新たな農業への関わり方、応援の仕方。
また、その土地や農業に興味のある若者たちが農業や地域に入るきっかけ。
そして、多様な文化を持つ若者と地域やその土地の産業との出会いにより
新しい未来が育まれていく可能性として考えています。

“援農プロジェクト”について
FROMFARM代表 / 大谷幸司

食との関わり方を
見つめ直す

現在、日本では国民のほとんどが食との関わり方において消費する側、つまり“買った物を食べる”、“買った物を調理して食べる”、“外食をする”という関わり方がほとんどになっています。人類の長い歴史からするとほんのたった百数十年の間に、私たちの食との関わりは、お皿の上だけの薄っぺらいものになってしまいました。数十年前、私たちの両親や祖父母の時代は、もっと身近に、農業や漁業・畜産などがあったはずです。

例えば、私の実家は和歌山で代々農業を営んできましたが、私が現在も住む築120年を超える古民家には、離れに「牛屋」と呼ばれる、昔、牛を飼っていた小屋が残っていますし、私が産まれる数年前までは、鶏を飼っていたこともあったそうです。そこには「命を頂いて生きる」という実感がきっともっと身近にあったのだと思います。

農業の深刻な
人手不足

私たちのほとんどが、そういった命の現場から遠ざかってしまっている一方、代々受け継いだ一次産業を守り続け、私たちの食を支えてくれている人々がいます。ところが、そういった一次産業の現場は現在、高齢化、後継者不足など深刻な人手不足に陥っています。180年前、江戸時代後期は人口の8割が農民だったのに対し、現在の農家人口は減り続け、全人口の3%しかありません。しかも農家人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は40%を超えています。

何かが変わっていかなければ、そう遠くない未来、“食べる”という事が今のように当たり前ではなくなってしまうかもしれません。

捉われない働き方、
新しいライフスタイル

援農に携わりはじめて3年目を迎える今、そういった一次産業の現場に目を向ける人々や興味を持つ若い世代が少しずつ増えてきているのを実感しています。彼らは新しい価値観を持ち、様々な経験を求めて一次産業の現場に飛びこんでいます。一次産業の現場を季節ごとに移動し、自由な働き方をする“季節労働”というライフスタイルを実践する若者も少なくありません。

北海道で鮭の腹からイクラを取り出す「シャケバイ」、京都や静岡での「茶摘み」、和歌山や愛媛での「みかんの収穫」、鹿児島や沖縄の離島でキビ砂糖用のキビの収穫をする「キビ刈り」や、長野での「レタスの収穫」、小豆島での「オリーブの収穫」など。季節ごとに働く場を選び、移動する若者がたくさんいます。彼らは、日本のみならず世界中で、好きな時に、好きな場所で、好きな仕事を自由に選んでいます。

“援農”が持つ
新たな可能性

繁忙期の一次産業の現場では、彼らのような若者の労働力が必須になって来ています。そして、実際に援農を経験した彼らが、単純に労働力の対価というだけではなく、農業や漁業など一次産業の現場での体験を通して、より深く食に向き合うようになったり、農家さんの生き方に刺激を受けたり、自然の中で働く感動を味わっています。また、その土地に根をはる農家さんたちにとってもまた、様々な世界を生きる若者たちからもらう新鮮な空気に、農業への新たなやり甲斐を感じるようです。

そんな“援農”が持つ、新たな可能性を信じ、広げていく場として援農プロジェクトに少しずつ取り組み始めています。私の地元である和歌山県海南市下津の名産品みかんの収穫をはじめとして、今後も多様な場を設けていきたいと考えています。

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